NEXUS / NOTES
画面をつくる前に、情報を整理する。
入力・共有・確認の流れから、業務システムを考えるためのポイント。
編集:NEXUS / 個別案件の成果を示す記事ではありません。
同じ『案件』でも、依頼を一件と数える人と、一回の作業を一件と数える人がいれば、同じ一覧を見ても認識がずれます。この記事では、システム開発を検討している方に向けて、画面の見た目より前に確認したい情報の単位・利用者・例外を説明します。
下の酪農の図は、情報をまとめる基準を考えるための設計例です。業種の専門知識より、どの記録を『同じ一頭の情報』として結ぶかに注目すると、顧客や案件の記録にも置き換えて考えられます。
NEXUSが設計するのは、別々の資料を個体IDで結び、一頭の履歴から相手別の確認・共有へ進む流れです。
同じ一頭の記録から、見る人の仕事へ。
01 / MATERIALS
使っている記録を残す
- 主記録になる個体台帳
- 乳量などのCSV・Excel
- 治療・観察の紙と写真
個体IDで結ぶ →
02 / ONE ANIMAL
一頭の履歴をたどる
- 履歴
- 乳量・繁殖・治療・観察
- 移動
- 群・所在・移動の記録
- 資料
- 写真・メモ・原資料への参照
未認識・欠損は分けて、人が確認
03 / WHO USES IT
渡す相手で分ける
- 社内
- 履歴を見て、記録を確かめる
- 獣医
- 必要な履歴を帳票に
- 取引先
- 選んだ項目をサマリーに
確認 → 相手別の閲覧・出力

集めるだけでなく、使い分ける。
所在は現場の入力で更新する設計。AIによる抽出や要約も、人の確認を通します。自動追跡や自動確定を前提にしない構成です。
- 01記録する
- 02意味を確かめる
- 03必要な形で渡す
同じ言葉でも、意味が違う
同じ一件?
何を「一件」として持つか
会社
支店
担当者
「顧客」でも、会社・支店・担当者のどれを数えるかで、記録のまとまりは変わります。
たとえば「一件の顧客」は、一つの会社でしょうか。支店でしょうか。担当者でしょうか。同じ項目名でも、数えているものが違えば、別々の表をそのまま結ぶことはできません。何を一件として扱い、どの情報を共通で持つか。その意味を揃えることが、画面や帳票を考える土台になります。
入力する人と、使う人を分けて見る
仕事は別々
- から次へ
入力する人
確認する人
現場で記録する人に必要な項目と、あとで報告を読む人に必要な項目は、同じとは限りません。誰が入力し、誰が直せて、誰が確認するのか。入力の負担と、その先で使う情報を両方見ます。念のために欄を増やす前に、その項目を使う場面があるか確かめます。
例外も一緒に確かめる
例外も仕事
取消
重複
修正
担当変更
同じ記録が二度入ったら。担当が途中で変わったら。取消や修正が必要になったら。普段とは違う場面も、一つずつ試してみます。紙の見本や画面案を見ながら、情報の意味へ戻ることもあります。最初の整理を完全固定するのではなく、使う場面と行き来して設計を深めます。
項目の名前より、意味を揃える。
考え方を具体化する説明用の見本です。実際の顧客情報ではありません。
- 依頼番号
何を一つの依頼とする?
一つの依頼に、複数の作業や資料をひも付ける
- 数量
個数・時間・金額のどれ?
値だけでなく単位と、実測/概算を分ける
- 確認済み
誰が何を確認した?
確認者と確認時点を記録する
- 訂正
古い情報をどう扱う?
現在の値と変更履歴を分け、再確認の条件を決める
数量を合計できることと、その数字を判断に使えることは別です。入力日と実施日、未確認と確定を混ぜると、画面が正しく動いていても意味がずれます。NEXUSの開発相談では、画面数だけでなく、この情報の単位から機能へ落とし込みます。
比較と確認の問い:「対応済み」の意味を、揃えてみる。
理解を深めるための例です。特定の案件の成果や実績ではありません。
ある担当者は返信した時点を「対応済み」と呼び、別の担当者は作業完了を同じ言葉で記録しているとします。このまま一覧画面を作っても、見る人によって判断が変わります。まず受付・確認中・作業中・完了など、仕事の状態を具体的な行動と結び付けます。
- 項目を決める
- 何を記録するかだけでなく、記入する人と情報の出所を揃えます。
- 変化を決める
- いつ状態を変え、変更を誰が確認するか。取消や差し戻しの行き先も考えます。
自分の仕事で、確かめる。
- 01同じ対象を別名で二重登録していないか
- 02状態を変える条件を人に説明できるか
- 03間違えた情報を誰が修正できるか
最初から立派な設計書を作る必要はありません。普段の案件を一つ選び、受付から完了までを紙に書いてみる。それだけでも、画面だけでは見えなかった曖昧さを話し合えます。